「わからないことがわからない」ということは日常生活で私は時々遭遇する。「これってどうするのだろう?」「これって合っているかな?」って疑問に思えば、調べたり、人に聞いたり、いろいろできることはあるのだけど、そもそも
全く疑問に思ってないから、悩みの種にもならない。ということもしばしば。
実は正しいと思っていた自分の行動が、我が家のパグ犬の老化を早めているとしたら、実におそろしいことだ。本を読んでいたら、「あ、間違っていた!」って思ったことをきっかけに、他にも間違いがないかいろいろチェックしたことを記したい。
- 散歩中、他の犬に吠えられるから避けている
- 犬が歳をとってきたから、そっとしてあげることが増えた
- 肥満が気になるからフードの量を減らしている
- 爪切りとか耳掃除。嫌がるから最小限にしている
「優しさ」から「やってしまいがちな行動」が本当にいいのかチェックしてみたい人は参考適度に読んでいってね。
【思い込み】起きたら可哀想だからそっとしておく
我が家のパグ犬でいえば、だいたい私の近くで寝ている。それまでリビングで留守番をしていたので、そこにベッドがあったのだが、在宅勤務になり、今は私の仕事部屋にベッドを移動してきた。(リビングに置いておいても結局私の仕事部屋にくるから)
12歳の今は、私がトイレに行くくらいでは、起きないんだけど、キッチンにいけば、キッチンまでやってくる。パグ犬の食への執着。パグ犬飼いの人なら毎日目にしているだろう。キッチンで私がお茶を入れているだけで、ゆっくりゆっくりキッチンまでやってくる。
「せっかく寝ていたのに起こしてごめんね」と、自分が昼寝をしていて起こされたら嫌だから、うちのパグ犬も嫌だろうという単純な人間目線から、キッチンに用事があるときはわざわざ歩いてこないように、細心の注意を払っていた。
ちらっとパグ犬が寝ているベッドに視線を送りながら「トイレに行こうかな」と呟いて、そっと立ち上がりキッチンに行く。
家で犬に向かって過剰な演技をしつつ、日々を過ごしていた。
いろいろな本を読んでいると、それは止めた方が良いことに気づく。刺激のない毎日になりがちだし、動くことは足腰への刺激になる。それにわかってからは、大女優なみのひとり演技をやめ、おやつの1回の量を少なめに回数を増やし、動くことは足腰への刺激になると、動きたくなるような工夫ををして過ごすようになった。
【間違ってない?】5つのチェックポイントで確かめてみて
チェック1 足腰が弱ってきたから散歩や運動の量を減らす
チェック2 ほかの犬との接触はなるべく避ける
チェック3 年をとると肥満になりやすいからごはんの量はセーブする
チェック4 落ち着いて眠れるように部屋のすみにベッドを置く
チェック5 嫌がるからボディケアは最小限
◆チェック1について
運動を減らすのは禁物。筋力の衰えが助長されてしまう。人間と同じだと考えたらいいかも。適度に動いたら人間だってすっきりするのと同じ。しっかり筋肉を動かしてあげることで、筋肉量キープを心がけたい。適度に楽しく運動をさせる工夫をしてあげよう。
我が家のパグ犬も12歳になり、「散歩行くよ!」って言ったら玄関まですっとんで来ていたのは遠い昔の記憶。11歳までは多少走ったり、30分以上の散歩も元気よく歩いていたのが、12歳となると散歩の歩みも遅くなった。それでも散歩を嫌がらないのは救いだが、過剰な負担を避けるため、今は1日2回にわけて散歩に行くようにしている。
そして、「トイレに行くふりをしてキッチンに行っていた」大女優の私は散歩のときは「散歩って楽しいよねー」って、スキップしてみたり、(早朝誰もいない時間帯)信号で立ち止まる時は顔を見て撫でたり、「散歩ってやっぱりいいね作戦」を実行している。
もうひとつ散歩で気をつけていることは、「外の気温」。暑さに弱い犬種だから
朝の散歩は太陽が昇る前。夕方の散歩は太陽が落ちてから。アスファルトは黒いからなかなか熱が冷めないし、肉球への負担があるからなるべく土の上を歩かせる。
知らなきゃ危険!寝たきりへの悪循環
◆チェック2について
他の犬との接触は脳を刺激するドキドキ体験のひとつ。ドキドキすれば、それだけでも血液の循環がよくなり、ホルモンの分泌が盛んになるかもしれない。若返りのきっかけとなる。散歩に限らず、新しいおもちゃとか花や草をくんくんと匂いを嗅ぐのも良い刺激になる。刺激も強すぎると疲れさせる原因になることも。ほどよくコントロールしよう。
我が家のパグ犬は女の子だけど、昔からマーキングのような行動をとることがあって、草むらや電柱の匂いを執拗に嗅ぐことがある。なんとなく汚いかな?と思い極力、他の犬のトイレの跡とかには近づかないようにしていた。
きっと執拗に匂いを嗅ぐのはそれだけ興味がある証拠だと思い、最近は見守ることも。
刺激といえば、10歳を過ぎたあたりから妹ちゃんを迎えたいと思うようになった。パグ犬飼いの友人が8歳を迎えた頃、弟ちゃんを迎えて、格段に8歳パグちゃんが元気になった話を聞いたからだ。そして私自身も、パグ犬にふと年老いたと感じる時、「もしいなくなったとき、ペットロスに耐えられるだろうか。もし、もうひとりいれば乗り越えられるんじゃないか」と思ったりもしたからだ。
友人の事例はたまたまうまくいったけど、もしもう1匹迎えてお互いの相性が悪く、老体に響いたら、と思えば踏み切れずに12歳を迎えた。なぜならうちの実家のパグ犬と我が家のパグ犬は2歳違いなのだが、すごく相性が悪く、会えば喧嘩ばかりしていたから、妹ちゃんを迎えることは結局諦めた。犬を迎える検討は慎重に。
◆チェック3について
運動量が減り、筋肉も減ってくると基礎代謝が低下して、若い頃と同じ量をあげていると太ってしまうことも。だからって量を減らすだけでは栄養不足になりがち。シニアフードに切り替えの検討を。シニアフードは、シニア犬に不足しがちなミネラルやビタミン、カルシウムなどがしっかりはいっているものも多く、吸収性に優れたたんぱく質が配合されている。それでいてカロリーも抑えられている。「手作り食でカバーする」って考える人も多いと思うけど、それだけでは必要な栄養素がバランス良くとれないこともあるので注意が必要。
我が家は7歳を過ぎたあたりでシニアフードに切り替えた。アレルギーの有無や普段の食いつきなど、人によって選ぶ基準はさまざま。結局サイトによって推しているフードも違うので、しっかり表示されている成分や口コミを読んで最適のフードを選ぼう。
我が家での定番はシニアフードに鶏のささみと刻んだ野菜を茹で汁ごとトッピングすること。フードが柔らかくなって食べやすいし、噛まずに飲み込みがちなパグ犬に優しい。
◆チェック4について
落ち着ける場所は部屋の隅の静かな場所ではない、家族の気配を感じられる場所。ベッドの置き場も大切だけど、温度管理も大切。そして弱ってきた足腰に負担がかからないように段差を少なくしたり、滑りにくいように工夫をしたり。
我が家で大切にしているのは、ベッドに敷いている毛布は薄いものを数枚ひいておいて、洗濯するときは一度に全部ではなく、代わる代わる洗濯する。そうすると「全部の毛布が洗いたてのにおい」より「自分のにおいがしみついて毛布」の方が安心すると思ったからだ。
その考えに至ったある出来事がある。普段、人間の服はハンガーにかけたり、収納したり、「おきっぱなし」にすることがほとんどない。というのは犬を飼っていたら自分では気づきにくい「におい」が服につくし、毛が大量についてしまう。(パグ犬は抜け毛が多いよね。)
ある日、ついつい疲れてぬぎっぱなしにしてお風呂にはいると、わざわざ?私の服の上でくつろいでいた。なんでわざわざそこで?と思ったけど、もしかして私のにおいがついているから安心するのかな?と思った。犬にとって「におい」って大切なのだなと思った出来事だった。
◆チェック5について
体を清潔にして健康を保つという効用以外に大好きな飼い主の手で触れてあげることがとてもいいこと。もし嫌がるのなら徐々に慣らそう。将来介護が必要になった時、役に立つことはもちろん、体の変化を直に触れて知ることで、病気の早期発見にもつながる。たとえば、ブラッシングだけでも皮膚の汚れを落とすのと同時に、筋肉をほぐす効果が得られる。代謝をあげることも。そしてなによりそのスキンシップは絆を深めてくれる。
我が家のパグ犬はブラッシングも大好きだし、撫でられることも大好き。ただ爪切り・歯磨き・肉球を触られることが大嫌い。克服するために思い切り撫でた後に軽く肉球を触ることから始めて、徐々に慣らしていった。爪切りも「おわった後におやつが食べられる」ということを知ってからしぶしぶさせてくれる。
散歩の時に時々震えるようになっていた後ろ足。11歳までは「今日は長く歩いたから」とか明確な疲れの原因があって震えていたのが12歳になると普段の散歩で震えることが増えてきた。そこで後ろ足をマッサージすることを開始。マッサージは大好きなので大歓迎の様子。
【おわりに】愛するがゆえに間違った行動になりがち
大好きな愛犬に「老いの兆候」が見えたとき、ついついかわいそうだからと、必要以上に甘やかしたり、運動を減らしたりしたら、それは結果的に老化を早める結果になりかねない。本を読んだりネットをみたり、「我が家は大丈夫」「歳だから」で片付けないで、早めにできる良いことはどんどん取り入れたいものだ。1秒でも健康で長生きしてほしいから。
「良かれと思ってしていたことが間違っていた」って一番後悔しちゃう。なんでもっと調べなかったのだろうって自分を責めてしまったりしてしまいそう。栄養バランスがとれた食事や医療の発達で犬の寿命は確実に伸びている。情報も更新されるだろうから、どんどん仕入れていきたい。